【監査法人】新人さんにIPO監査部署はおすすめしないっていう話【就活】

毎年リクルートをやって感じるのが、IPO監査の異常な人気ぶりです。実に4分の1くらいの受験生がIPO監査をやってみたいと話している印象があります。

今日は、そんなIPO監査に特化した部署(以下、IPO部署)はあまりおすすめ出来ないという話をしていきたいと思います。

IPOIPO監査とは

その前にIPOって何?という方向けに簡単に説明をします。IPOとは、Initial  Public Offeringの略であり、株式公開とも言われます。未上場会社の株式を証券取引所に上場し、株式を株式市場に流通させるために行われます。

IPO監査とは、IPOを準備している会社の会計監査を指します。

IPO部署をオススメ出来ない理由

1.そもそもIPO監査は通常監査とほとんど変わらない

IPO監査といっても、IPOを目指しているベンチャー会社等の監査というだけで、やることは通常の会計監査とほとんど変わりません。もし上場することになれば、それに付随してやることも増えますが、上場案件に立ち会える機会はほとんどなく、「上場を準備」しているだけの状態で5年経っているというケースもザラにあります。

2.IPO部署は非常に忙しく、新人教育に向いていない

IPO部署はIPO準備会社以外の案件も扱いますが、上場会社のような大きな会社はあまりなく、規模の小さい会社を数多く扱っています。そういった会社は規模の大きい会社に比べて内部統制はあまり整備されておらず、会計処理のミスも目立ちます。また、監査報酬も低いため、十分なスタッフをアサインすることはできません。

会計処理ミスの発見・是正に多くの時間を割かないといけないのに人数は足りておらず、残業は採算の関係からあまり出来ず、新人教育は二の次になってしまう可能性があります。

3.新人の頃から上場会社監査にも慣れておくべき

上場会社監査とそれ以外の監査とでは、監査のスケジュールや提出物の多さ、会計処理の難しさなどの違いが多くあります。最初から上場会社監査をベースに考えることができると、上場会社以外の監査では、ベースから引き算していくだけなので、楽に感じます。まさに大は小を兼ねるということです。上述したとおりIPO監査部署は上場クライアントをあまり持っていないので、上場クライアントの経験が積めません。

それでもIPO監査部署に行きたいって人は

色々とネガティブ情報だけ挙げてしまいましたが、きっとクライアントが上場した時の喜びは計り知れないものだと思われます(わたしは経験ありません。泣)。

また、将来IPO会社のCFOを目指している方など、IPO監査の経験は転職で有利になるとは思われます。

あくまでも私は、新人にIPO監査部署はオススメできないと思っているだけで、他の部署で上場会社の監査を経験した後であれば、異動するのはありかなと思います。ちなみに監査法人内での異動は容易です。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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